ニュージーランドで生活を始めると、日本とは大きく違うお金の仕組みに驚くことがあります。そのひとつが「銀行口座がマイナスになる」こと。
日本の銀行では、残高以上にデビットカードを使ったり、家賃を引き落としたりすることは基本的にできません。しかしニュージーランドでは、残高がゼロでも支払いができてしまい、その結果「口座残高がマイナス」になるケースがあるのです。
これを知らずに使っていると「なんでマイナスになってるの?」と混乱してしまう人も多いはず。今回は、この仕組みや注意点をわかりやすく解説します。
デビットカードなのに残高がなくても使える?
ニュージーランドの銀行では、EFTPOS(エフトポス)と呼ばれるカード決済システムが広く使われています。日本でいうデビットカードのような仕組みですが、日本のように「残高がなければ即エラー」にはなりません。
例えば、
- 家賃の引き落とし
- サブスクリプションの自動決済
- スーパーやカフェでの支払い
こういった場面で残高が足りなくても、取引が通ってしまうことがあるのです。そして後から口座残高がマイナス表示になります。
なぜ口座がマイナスになるのか?
この仕組みは「オーバードラフト(Overdraft)」と呼ばれます。
オーバードラフトとは、簡単にいえば「銀行からの一時的な立替払い」。クレジットカードに似ていますが、カードを使っている意識がなくても自動的に適用されることがあります。
ニュージーランドでは、銀行側が顧客の信用度に応じて「数百ドル程度のマイナス」を許容している場合が多く、家賃や公共料金など「支払い不能だと困るもの」が優先的に処理されるのです。
利息や手数料はどうなる?
注意したいのは、口座がマイナスになると「利息やペナルティ」が発生する可能性があることです。
- オーバードラフトを事前に契約している場合
決められた限度額までは利用でき、その代わりに利用額に応じた利息がかかります。 - 契約していないのにマイナスになった場合
「Unarranged Overdraft(無契約オーバードラフト)」扱いとなり、通常より高い金利や手数料がかかることがあります。
つまり、知らずに使ってマイナスになっていると、数日後に高額の手数料が引かれていた…なんてこともあり得ます。
日本との違い
日本の銀行で「残高不足」の場合は、基本的に引き落としができず、エラーで戻ってきます。そのため「口座がマイナスになる」という感覚はあまりありません。
一方でニュージーランドは、支払いを止めるのではなく「とりあえず銀行が立て替える」文化。これにより、電気やガス代の未払いで生活が止まるリスクを減らしています。
ただし、使う側からすると「自分のお金がないのに支払えてしまう」というのは、つい気づかないうちに借金を抱えることにつながるので注意が必要です。
ワーホリや留学生が気をつけるべきこと
ニュージーランドにワーキングホリデーや留学で来ると、まず現地の銀行口座を開設します。日常生活の家賃やバイト代の振込、買い物に使うため必須です。
ただ、以下の点には必ず気をつけましょう。
- 残高をこまめにチェックする
ネットバンキングやアプリで、定期的に残高確認を。 - 自動引き落としの金額を把握する
家賃・光熱費・サブスクなど、毎月決まった出費がいくらあるか計算しておきましょう。 - オーバードラフトを契約するか確認する
もし契約していれば限度額や利息を把握しておく。していないのにマイナスになった場合は銀行に連絡。 - クレジット感覚で使わない
「デビットなのに使えた=借金している」という意識を忘れずに。
まとめ:便利だけど落とし穴もある仕組み
ニュージーランドの銀行では、残高がゼロでも支払いが通ることがあり、その結果口座がマイナスになります。これは「オーバードラフト」と呼ばれる仕組みで、日本ではあまり馴染みがありません。
確かに「支払い不能を防ぐ」という意味では便利ですが、気づかないうちに借金をしている状態でもあります。利息や手数料がかかることもあるため、特にワーホリや留学生は残高管理をしっかり行うことが大切です。
「ニュージーランドの銀行は口座がマイナスになる」という文化の違いを知っておくことが、安心した海外生活につながります。
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