ニュージーランドでワーキングホリデー中、ふとした瞬間に「ここ、日本と全然ちがうなあ」と思うことがある。
スーパーの袋が有料とか、夜の街が思ったより静かとか、英語ができなくてもけっこう生きていけるとか、いろいろあるけれど、今回は「職場の服装」に関するカルチャーショックの話を書こうと思う。
タイトルにある通り、店長がクロックスで働いていたという事件(?)が、それだ。
日本の感覚で言えば、信じられない。
でも、ニュージーランドではこれが“普通”なのかもしれないと知ってからは、価値観が少しずつ変わってきた。
日本では「クロックス=サンダル=だらしない」?
まず、日本にいたときの感覚でいうと、「クロックス」っていわゆる“楽な靴”であって、
「ちょっとコンビニ行くとき」とか「ベランダ出るとき」とか、「あーもうスニーカー履くの面倒くさい!」ってときに履くものだった。
もちろん、ちゃんとした職場ではまず履かない。
それが“当たり前”だった。
日本の飲食店って、キッチンやホールで働くときは基本的に「黒の滑りにくい靴」が指定される。
ましてや店長とか管理者クラスになれば、身だしなみはより厳しくなるし、指導する立場でもあるから、靴にも気を遣っていることが多かった。
でも、ニュージーランドでは違った。
初出勤の日、まず足元に目がいった
ワーホリで働き始めた日本食レストラン。
いわゆる「カジュアル和食」で、定食とかどんぶりとかを出す、ローカルにも人気の店だ。
初出勤の日、英語が不安すぎて頭の中はパニックだったんだけど、ひとつだけハッキリ覚えてることがある。
それが、「マネージャー(日本で言う店長)が、なぜかクロックスを履いていた」という衝撃。
えっ、えっ、えっ…!? って3回くらい心の中でつぶやいた。
聞いてみたら「だって楽だもん」
ある日、ちょっと勇気を出して聞いてみた。
「なんでクロックス履いてるんですか? キッチンとかホールって、滑ったりしませんか?」
マネージャーは笑って答えた。
「うーん、確かにたまに滑るけど、別に大丈夫だよ!めっちゃ楽だし!」
……それだけ?
いや、楽なのはわかる。でも、あなた店長ポジションじゃん!?
「見た目」とか「従業員の見本になるべき立場」とか、気にしないの!?
と、内心ツッコミが止まらなかったけど、周りのスタッフたちも誰ひとり気にしていない様子だった。
たまに他のスタッフもクロックスで来てるし、むしろ「今日は新しいやつにしたんだ〜」みたいな会話があって、そこに違和感を感じているのは自分だけだった。
ニュージーランド流「快適優先」の考え方
この件を通して気づいたのは、ニュージーランドでは“見た目より中身”が重視されるという文化。
もちろん、フォーマルな場や高級レストランなどではもっと厳しいルールがあるだろうけど、カジュアルな職場ではとにかく「働きやすさ」「快適さ」が優先されることが多い。
靴だけじゃない。
服装も基本的にラフだし、髪型も自由だし、タトゥーがあってもまったく気にされない。
「その人がどう見えるか」ではなく、「その人がどう働くか」が大事にされているのを実感する。
最初は戸惑ったけど、慣れてくるとむしろ心地いい。
だって、靴ひとつでその人の能力が決まるわけじゃないし、クロックスを履いててもテキパキ動いてたら、それでOKじゃん、って思うようになった。
日本と海外の「職場文化の違い」を実感した瞬間
正直、日本の飲食店でクロックスを履いていたら、即注意されると思う。
「お客様の前に出る格好じゃない」とか「衛生的にNG」とか、いろいろ言われる。
でも、ニュージーランドでは「靴より笑顔」「見た目より対応力」って感じだ。
この価値観の違いは、まさにワーキングホリデーに来なければ経験できなかったと思う。
「日本だったらありえないな〜」と思う反面、「こういう自由な空気もいいな」と感じる場面がたくさんある。
もちろん、全部が正しいとは言わない。
でも、どちらが“正解”とかじゃなく、どちらにも意味があるし、どちらにも良さがあるっていうのが今の結論だ。
最後に:クロックスでも、いいじゃないか
今では、マネージャーがクロックスを履いて出勤してきても、なんとも思わなくなった。
この話を日本の友達にすると、全員が「ウソでしょ!?」って驚く。
でも、それがリアルなニュージーランドの“職場の風景”だ。
ワーキングホリデーは、英語力だけじゃなく、こういう価値観の柔軟さも鍛えてくれる。
最初はびっくりすることばかりだけど、ちょっとずつ、知らない常識を受け入れていく過程がすごく面白い。
もしこれからワーホリに来る人がいたら、最初のカルチャーショックをぜひ楽しんでほしい。
そして、クロックスを見ても驚かない自分になれたら、きっと少しだけ成長してる証拠かもしれない。
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